奇妙なニュース。
立憲民主党の枝野幸男代表が
山尾志桜里衆院議員が主張する立憲的改憲に
「現時点では否定的」だとか。
枝野氏いわく、
「(『純粋法理論上の問題』ではなく『政治論』の問題として)
違憲の安保法制が存在している状況のもとで9条を触るということは、
一般的に言えば立憲主義の破壊を追認することに手を貸すことになる」
と。
変な理屈だ。
「立憲主義の破壊を追認することに手を貸すことになる」か、
ならないか。
それは、「9条を触る」その触り方、つまり改憲の“中身”による。
その中身に全く立ち入らないで、「一般的に」断定する事はできない。
当たり前の話だ。
山尾議員が用意しようとしている改憲案が
「立憲主義の破壊を追認する」内容になるなどとは、
とても考えられない。
しかも、枝野氏が言う「違憲の安保法制」を成立させた
憲法の脆弱性を克服する事は、立憲主義の重大な要請ではないのか。
その為には立憲的改憲が不可避だ。
更に、安倍政権は安保法制を前提とした自衛隊「加憲」に、
ひた走りに走ろうとしている。
年内に改憲発議がなされる可能性すら浮上している。
世論調査の結果を見ても、国民の多くは国会で憲法改正を巡って
具体的な論議がなされることを望んでいる。
そんな局面で、
「まずは安保法制を憲法に合致したものに戻せ、
というのが党としての主張」などと眠たい事を言っていて、
加憲の動きにまともに対抗できると、本気で考えているのか。
リアルな「政治論」として考えたら、答えは明らかだろう。
そんな旧式な護憲への“退行”こそ、結果的に
「立憲主義の破壊を追認することに手を貸すことになる」
のが分からないのか。